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2012-08-18 16:26:00

美瑛の「農」と「商」の合体、「どかんと農業祭り」が18日、JR美瑛駅前・本通り特設会場で開かれた。会場は夏休み最後の週末とあり、大勢の観衆が終日美瑛の夏を楽しんだ。

 開演を告げるヨサコイ演舞、威勢のいい掛け声にあわせチビッ子達が舞い踊る。

 午前中の主役は「農」である。今年もマルシェのテントは美瑛の農産品を大提供。旬のトウモロコシやトマトが飛ぶように売れていた。またステージ前では地域対抗の丸太切り。麦わら帽子に前掛けをつけて必死に丸太を切る。チームワークと腕力勝負が繰り広げられていた。歌謡ショーを挟み、「農」の真打は農協幹部が揃い踏みする「紅白もちまき」。ステージを大観衆が取り囲み祭りのボルテージは最高潮となった。

 午後の演出は「商」が担当。商工会の目玉は50周年を迎えた「仮装本踊り大会」。その前哨戦として「ワンちゃん仮装コンテスト」と「コスプレコレクション」を採り入れた。ジャンルは違うが幅広いマニアが集結、若人らの人気を集めた。 

夕闇のステージに白金太鼓の力強い太鼓の響き北海盆歌が始まった。

町内外から集まった仮装団体が、隊列を組み踊りながら駅前広場を目指し練り歩く。婦人親交会、町議会議員、建設業協会、大雪青少年交流の家など、50周年大会は新規参加組も多い。それぞれが奇を衒った扮装で豪勢な山車を先導する。駅前は練り歩く仮装の隊列で溢れ、取囲む観衆と一体となり最高潮に達した。

 

午前は「農」、午後は「商」が担当し実に多彩な祭りを繰り広げた。最後の花火が夏の宴の終わりを告げるかのように夜空を染めていた。観衆は3万人(主催者発表)

 

2012-08-11 15:53:00

「美瑛では山菜やキノコ、魚など、楽しいことが沢山ある」と語るのは、福島から避難してきた宗像義国さん。

「山を歩くのが好き」と語る宗像義国さんは、妻の早苗さんと義父の國男さんの3人で、美瑛に着いたのは昨年3月。義国さんは現在、町の農業施設で働いている。畑で体を動かし、何かやっていればと汗を流している。「この方が好いだよ」と福島訛りの強い言葉で笑顔を見せる。

 

今年88歳の國男さんが施設に入所。早苗さんは福島では養鶏所で働いていたが、美瑛では看病もあり家事に専念している。

 

美瑛はワラビやウドが一杯あると春は山菜採りに努めた。採ったワラビは早苗さんが直ぐ茹でてくれる。干しておけばいつでも食べることが出来ると、義国さんは福島の暮らしを思い出すかのように熱弁する。これからはキノコのシーズン、美瑛にはシメジや…が一杯と話は尽きない。

 

福島県田村市都路に家がある。昔はタバコや養蚕が盛んな土地で今は水田が多い。宗像さんも水稲や野菜、そして牛などを飼って生活していた。

その暮らしが原発で避難対象区域となった。

宗像さんらは当初山形に非難したが、北海道に叔父さんがいると美瑛にやって来た。福島の家は今も避難区域。4月に警戒区域から避難指示解除準備区域に再編され、自由に行き来できるようになったが、宿泊はできない。地区では除染作業を進めている。家屋は8月中に始まる予定で、農地も数センチ除染すると云う。今は農作物を試験的に作り始めたが、そんな農作物は「誰も買ってくれないよ」と突き放したように語る。

宗像さん福島の原発で働いたこともある。田村市や原発周辺に住む人たちの多くは原発で働いていた。原発を「新たなものは出来ないと思うが、急には無くならないよ」と小さく答えた。

 

 

9日午前11時2分に町内にサイレンが鳴り響いた。美瑛町議会でも一時進行を中断し沈黙、長崎を想った。広島、長崎、そして私たちは福島を忘れてはならない。

 

 

2012-08-04 16:08:00

 

送電鉄塔は不要物ではない。ただ鉄塔は景観を阻害する。新しくなった鉄塔を巡り、景観に対する考えがさまざまに交差している。

 

 美馬牛の丘を走る送電鉄塔が一新された。場所は上富良野町深山峠方向から美馬牛小学校の裏を通り、福美沢の赤い屋根の家の近くまで真新しい高架の鉄塔が並んでいる。旧鉄塔は本体のみで自立する自立型電柱であり、骨組みの外形が四角錘の形になった四角鉄塔はひと回り大きくなり高架となって周りの景観を威圧している。

 送電鉄塔を高架にすることは農家の要望でもあった。農業機械が大型化され、安全性を図るためには高架が望ましい。また農作業を円滑に行うため耕作地の中の鉄塔は、出来るだけ避けたいのが実情である。

今回建て替えられた送電鉄塔はそれらの与件を十分留意し、送電線の位置を高くして、尚且つ鉄塔の数も少なくした。

 

美瑛町は美しい村の保全と形成に向けて、平成15年「美瑛の美しい景観を守り育てる条例」を制定した。条例は大きな建物の建築や開発などに事前の届け出を義務付けている。

今回の送電線鉄塔の更新も、事業主の北海道電力からの申請を受け町の景観審議委員会で審議している。図面上に新設する鉄塔を置き、環境に対する負荷を検討。また色や高さを議論したが、送電線を高くして鉄塔の数を減らすとなると作る鉄塔は限られた。

また地域に対する説明は、地域の行政区が窓口となり意見収集を行った。

今回新しくなった鉄塔は、地権者の農家の要望に叶うものであり、審議を進める審議会も適切な処理を行ったといえる。

しかし新しく立った鉄塔がより目立つようになったことは事実である。ここ数年多かった携帯電話の鉄塔より、鉄塔は数が多いだけに景観に及ぼす影響は大きいと云える。

今や美瑛の「景観」は、丘や山や畑を所有する個々の所有者のものとは違って町民の共通した財と云える。これ以上、美瑛の景観に負荷が掛からないように、どうすれば良いのか、幅広く考えることが大事かと思う。

 

 

 

 

 

2012-07-28 13:00:00

十勝岳の平穏と町の発展を願う「那智・美瑛火祭り」が24日、美瑛町で開催された。

すっかり闇の降りた円山公園の頂から、白装束に烏帽子姿の若者ら約40名が、赤々と燃える大松明(だいたいまつ)を抱えて「オーリャ、オーリャ」の掛け声も勇ましく降りてきた。勇壮な調べが流れる広場で待ち受けた観衆は、燃え上がる炎に祭りの荘厳さを垣間見た。約150㌢、重さ約40㎏の大松明の炎が主役である。

まず慈光園へ向う。お年寄りらが見守る中で12本の大松明が炎をあげて舞い踊る。また神社まで約500㍍も沿道を埋めた観衆のフラッシュと声援を浴び、炎は一層燃え上り勇壮に練りあるいた。

美瑛神社では新たな大松明12本に火をつけて、今までが肩慣らしであったかのように大松明を振り回す。境内を埋めつくした観衆は飛び散る火の粉を浴びながらも、燃え上がる炎に魅入られていた。

火祭り実行委員会の堀内俊彦委員長は「昨年から作ってきた24本の松明をきれいに燃やすことが出来ました」と感無量の表情。「来年も頑張りますので声援を宜しくお願いします」「火祭り最高ですね」と結んだ。

 

2012-07-20 16:32:00

先の三連休は花を求める観光客が一気にやって来た。ラベンダーが盛りを迎えて富良野~美瑛の花畑は、何処も車が殺到し道路は渋滞した。

美瑛では「四季彩の丘」と「ゼルブの丘」、そして白金の「青い池」に観光客が殺到。

四季彩の丘では三連休の中日15日、過去最高の入場者数となり売上げも過去最高。日曜日のバスは少ないが、連休最後の17日のバス駐車はカウントしただけで80台を超えた。乗用車は2000台を越えているのではないかと推測されている。

四季彩の丘は春先から来場者は多かったが、5月には前年比145%、6月は198%と飛躍的に増えてきた。花も「ラベンダー」「キンギョソウ」「ケイトウ」「クレオメ」と見頃が続き、人気のアルパカ牧場は日々700名を越える入場者があると云う。

また「青い池」は数字的に捉える設備は無いが、過去最高となったことは間違いないようだ。駐車場が溢れ、池に向う通路にまで駐車する車が並んだ。またバス専用駐車場にも乗用車が入りこみ大型バスが道路に停車。白樺街道の流れに影響を及ぼす事態が生じた。

町中では道の駅「丘のくら」が過去最高の売上げを記録。またコンビも飲み物や弁当が一時的に欠品になったと聞く。

この流れは富良野のラベンダー人気や22日の上富良野の祭り、2829日の富良野へそ祭り等と相まって8月中旬まで続くことが予想される。また観光客の数を大きく左右するテレビ放映も、今後も予定されており美瑛観光に拍車をかける。

しかし、この流れに対応できないひ弱な観光基盤も目に付いた。特に「青い池」の駐車場整備とトイレの設置は急務。早急な対応が望まれている。また案内係の配置を望む声も多い。