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十勝岳の平穏と町の発展を願う「那智・美瑛火祭り」が24日、美瑛町で開催された。
すっかり闇の降りた円山公園の頂から、白装束に烏帽子姿の若者ら約40名が、赤々と燃える大松明(だいたいまつ)を抱えて「オーリャ、オーリャ」の掛け声も勇ましく降りてきた。勇壮な調べが流れる広場で待ち受けた観衆は、燃え上がる炎に祭りの荘厳さを垣間見た。約150㌢、重さ約40㎏の大松明の炎が主役である。
まず慈光園へ向う。お年寄りらが見守る中で12本の大松明が炎をあげて舞い踊る。また神社まで約500㍍も沿道を埋めた観衆のフラッシュと声援を浴び、炎は一層燃え上り勇壮に練りあるいた。
美瑛神社では新たな大松明12本に火をつけて、今までが肩慣らしであったかのように大松明を振り回す。境内を埋めつくした観衆は飛び散る火の粉を浴びながらも、燃え上がる炎に魅入られていた。
火祭り実行委員会の堀内俊彦委員長は「昨年から作ってきた24本の松明をきれいに燃やすことが出来ました」と感無量の表情。「来年も頑張りますので声援を宜しくお願いします」「火祭り最高ですね」と結んだ。
先の三連休は花を求める観光客が一気にやって来た。ラベンダーが盛りを迎えて富良野~美瑛の花畑は、何処も車が殺到し道路は渋滞した。
美瑛では「四季彩の丘」と「ゼルブの丘」、そして白金の「青い池」に観光客が殺到。
四季彩の丘では三連休の中日15日、過去最高の入場者数となり売上げも過去最高。日曜日のバスは少ないが、連休最後の17日のバス駐車はカウントしただけで80台を超えた。乗用車は2000台を越えているのではないかと推測されている。
四季彩の丘は春先から来場者は多かったが、5月には前年比145%、6月は198%と飛躍的に増えてきた。花も「ラベンダー」「キンギョソウ」「ケイトウ」「クレオメ」と見頃が続き、人気のアルパカ牧場は日々700名を越える入場者があると云う。
また「青い池」は数字的に捉える設備は無いが、過去最高となったことは間違いないようだ。駐車場が溢れ、池に向う通路にまで駐車する車が並んだ。またバス専用駐車場にも乗用車が入りこみ大型バスが道路に停車。白樺街道の流れに影響を及ぼす事態が生じた。
町中では道の駅「丘のくら」が過去最高の売上げを記録。またコンビも飲み物や弁当が一時的に欠品になったと聞く。
この流れは富良野のラベンダー人気や22日の上富良野の祭り、28・29日の富良野へそ祭り等と相まって8月中旬まで続くことが予想される。また観光客の数を大きく左右するテレビ放映も、今後も予定されており美瑛観光に拍車をかける。
しかし、この流れに対応できないひ弱な観光基盤も目に付いた。特に「青い池」の駐車場整備とトイレの設置は急務。早急な対応が望まれている。また案内係の配置を望む声も多い。
中国からの観光客誘致に向け、浜田町長を始め町関係団体の長らが訪問団を結成、中国の大連、瀋陽、上海の3都市を訪問した。主催は「美瑛町国際観光交流推進協議会」。
訪問団は浜田哲町長を団長に農協の大西昭男組合長、商工会の西森和弘会長、観光協会の太田悟会長、白金温泉観光組合の西海正博組合長、町職員ら総勢7名。6月24日から29日の日程で訪問した。
今回の訪問は大連市旅順口区人民地方政府との交流と、瀋陽・上海での観光客誘致に向けたトップセールス、美瑛の農畜産品や物産のPRが目的である。
今年1月、中国人民共和国遼寧省大連市旅順口区人民地方政府の一行が美瑛町を訪れた。今回はその旅順口区人民地方政府の招待もあり、旅順口区人民地方政府を訪問、熱烈歓迎を受けた。また遼寧省や瀋陽市の観光部局も表敬訪問。瀋陽市と上海市では観光セミナーを開催、美瑛の観光を提案し旅行業者らと交流した。
旅順口区では熱烈歓迎。政府を挙げての歓迎を受けた。旅順区長は美瑛町との友好関係を希望しており、美瑛町も人的交流や経済交流など友好交流を推進したいと考えている。また美瑛町が上海市や瀋陽市で行った、行政と町の各団体の長が一体となったトップセールスは、信義を重んじる中国で人的交流の扉を開き、今後の観光振興に寄与することは大きい。また今回、遼寧省の観光関係者が8月に、視察で美瑛を訪れて来ることも決まった。
全国森林環境税創設促進議員連盟(板垣一徳新潟県村上市議会議長)の第19回定期総会が12日、美瑛町民センターで開催された。
同連盟は森林が果たす公益的機能と役割を広く国民に訴え、緑の国土を支えている農山村の過疎化に歯止めをかけると共に、活性化を図る財源として「全国森林環境税」の早期実現を目指している。その全国大会(定期総会)が美瑛町で行なわれた。加盟しているのは全国の314市町村議会。美瑛町は平成9年大雪青少年交流の家に続く2度目の開催地となる。
会場には全国から森林環境税の創設に賛同する、市町村議員ら3百名近くが集結。浜田哲町長が歓迎の挨拶を述べ、来賓の高原陽二北海道副知事、小川勝也参議院議員、稲津久氏、浅野貴博氏の両衆議院議員、竹内英順道議らが順次祝辞を述べた。
総会は議長に鷹栖町議会の青野敏議長を選出、執行部が提案した議案を原案通り可決した。また総会は黒松内町の菅原正久議長が総会宣言を発表。より運動を強化することを確認した。
十勝岳で6月30日から1日未明にかけて、山頂近くの大正火口が明るく見える現象が確認された。札幌管区気象台は、火口付近の硫黄が燃えたことが原因と推定、「火山性地震や地殻変動など噴火の兆候は確認されておらず、噴火ではない」としているが、十勝岳中腹の宿泊施設の客や従業員ら約120人が一時避難した。
報道各社は2日、一斉に十勝岳の異変を報道した。
望岳台から「十勝岳に火のようなものが見える」と通報があり、駆けつけた旭川東署員が「赤い光り」を確認。同署と富良野署が周辺の宿泊施設などに注意喚起を呼掛けた。通報があったのは30日11時53分、署員が望岳台に直行し赤い火を確認したのは0時20分頃。報道では十勝岳温泉で避難が始まったのは午前1時頃と伝えている。
望岳台に近い上富良野町十勝岳温泉では、警察からの「注意喚起」を受け自主避難した。町は避難してくる人たちを受け入れる体制を取った。
一方白金温泉では警察が3施設を周り注意喚起したと云うが、避難行動等は起きなかった。また白金地区の大多数の住民や宿泊施設は、朝まで何も知らずに過ごす事となった。
美瑛町の石井総務課長は1日午前1時半過ぎに望岳台に着いた。警察からの通報を受け課員と庁舎内で十勝岳の映像を見て、気象庁に噴火では無いことを確認したうえで望岳台に向った。
警察が緊急を要す事と判断し注意喚起することは当然の責務であるが、両町や各関係機関の連絡や連動では課題を残す結果となった。
美瑛町の鈴木課長補佐は「噴火は急に来ません、必ず余震がある」「避難するか否か等の判断基準は気象庁の情報です」と明言。前日には気象庁職員が来て「十勝岳で噴煙が上がっているが噴火ではない」との説明を聞いていた。