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早いもので東日本大震災から1年が過ぎた。昨年「美瑛ちょこっと旅」実行委(谷尾めぐみ代表)が発足し、石巻市渡波小学校避難所で暮らす被災者55名を、美瑛に招待したことはまだ記憶に新しいこと。その縁がきっかけで始まった渡波小避難所暮らしの方々との交流。今、住まいは避難所から仮設住宅に変わったが、以前の生活に戻った訳ではない。
美瑛の旅プレゼントに奔走した実行委の1人、「木りいいなかま」のオーナー岡田良平さんは冬になると日本列島を縦断する。目的は食材の手配、冬の美瑛から美味しい食材を求めて九州鹿児島まで旅している。
今年は鹿児島からの帰途、美味しかったサツマイモ(つらさげ芋)を、大量に買い込んで石巻市を訪れた。
渡波小学校避難所で一緒に暮らした方々が、抽選の仮設住ではみんなバラバラとなった。「全く知らない者同士なので互いに心細い」「避難所で共同生活して方とは、ほとんど連絡が取れない」と云う。
鹿児島から持って来たサツマイモを使って岡田さんは、仮設住宅の子供たちと「石焼芋」を作り、仮設住まいの人達と一緒に味わった。被災した家の木材を燃やして。町は「仮設の旧北上川の橋を渡って渡辺地区に入るとまるでゴーストタウンのような風景、動いている物は瓦礫の処理する重機と作業員だけであった」と岡田さんは述べている。
鹿児島を旅している途中、岡田さんと渡波小避難所の係わりを現地の人達が知った。
鹿児島でも被災の募金活動を行なってきたが「その思いがどう伝わったのか…」と、顔の見えない支援に疑問が湧き始めていた。その時に岡田さんの話す、美瑛「ちょこっと旅」の活動に共鳴。即「北と南から石巻の皆さんへ元気を届けよう」と合同プロジェクトが発足した。「北海道からはジャガイモや乳製品、鹿児島からはサツマイモなどを持ち寄ってイベントを開き、離れ離れになっている、渡波地区の皆さんに集まってもらおう」と。
イベントは渡波地区で4月8日に開催する。美瑛からは岡田さんら4名が訪れる。今は持込むサツマイモ(つら下げ芋60キロ~70キロ)を購入するための資金集めの募金箱も「木のいいなかま」に設けた。
石巻で仮設住宅の世話役を務める岡さんは「お金さえ出せば何でも手に入るようにはなったが、離散した地区住民の心は寂しい。こうしたイベントを開いてもらえることで、ふれあいを取り戻すことができれば嬉しい」と話している。
岡田さんは「ちょこっと旅が飛び火して、鹿児島の仲間と、また一緒に元気付けが出来る」。「復興は地元の人達に、やる気を出してもらう以外にない。そのキッカケ作りになれば」と語っている。